限られた展望範囲
丘の頂上からゆるやかに下りて行くと、断崖見物の随一の展望所に出る。これが待ち望んだモハーの断崖なのだ!! 2日がかりのチャレンジだけに、感動もひとしおである。昨日も風雨の中、同じ場所に立ったのだが、見えたのは霧の世界だけである。切り立つ断崖とは、まさにこのことで、大地が突然失われて海中へ200メートル以上も直下しながら垂直の大絶壁を形成している。その大自然の見事な造形にただただ心打たれ、見とれてしまう。絶壁直下の海面から見上げたら、さぞかし大迫力の断崖が迫るように見えるに違いない。

この階段が断崖の展望ポイント。石のプレートの塀が並ぶ。
古代によほど大きな地殻変動があったのだろうか? このリスキャノア湾に面したハグ岬一帯は「モハーの断崖」と呼ばれ、このあたりは高さ200メートル以上の断崖絶壁が8キロメートルにわたって続いており、その迫力ある壮大な大景観はアイルランドでも有数の観光地になっている。
下りの階段になっている展望ポイントは、大きな自然石のプレートを並べた塀が設けられ、それより先へ出られないようになっている。これを乗り越えて断崖に近づこうとすると、監視員がいて制止する。断崖見物は、この限られた範囲の塀越しに観賞することになる。角度的に、ここからの眺めがいちばん素敵な断崖の景観が見られるわけで、それを外すと最良の景色は見れなくなってしまうのである。

これがモハーの断崖全景。この景観を見るために2日もかけた。

上の撮影ポイントよりも少し下にくだった所からの眺望。崖の高さがよく分かる。
だから、地上から撮った断崖の写真は、撮影者が異なっても、どれも申し合わせたように一様になってしまう。それは人によって異なることはない。というわけで、航空写真か海上からの撮影以外に、変わった角度からの写真は見られないのである。この撮影ポイントがもう少し沖合いへ突き出していたら、より効果的な断崖の景観が眺められるのかもしれない。入場料を取って断崖壁から100mほど先へ展望ブリッジを設けたら、結構商売になるのかもしれない。だがしかし、景観を害するということで許可されないのはいうまでもなかろう。
昨日撮りそこなった分まで、この際とばかりに断崖の写真を撮りに撮りまくる。見事な青空を背景に切り立つ断崖の黒い陰影が、えもいわれぬコントラストの美しさを見せている。アラン諸島観光を犠牲にして再挑戦したのだが、その甲斐があったというもの。図に当たるとはこのことをいうのだろうか?
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