四 季 折 々
| このページは、アップ・ツー・デートな幅広いトピックを集めてコメントを加えたコラムの文集で、99年7月から2000年1月末まで約半年間(182回)にわたって日替わりで毎日掲載したものです。 |
| 掲載日 | 掲 載 文 |
| 元旦 | ≪年頭所感(1)・・・心に栄養を≫ みなさん、明けましておめでとうございます。 旧年を振り返ると、わが国社会の信頼と安定を損なうような事件・事故ばかりが多発しました。東海村の原発事故をはじめH2ロケットの打ち上げ失敗、新幹線トンネルの崩落事故など一連の技術面における信用失墜、銃刀所持による犯罪や通り魔事件の多発、航空機ハイジャック事件、警察の不祥事続発など反社会的な犯罪の増加、その一方で自殺、幼児虐待、夫の暴力など家族崩壊的な行動の増加、判断の甘さからくる水難や山の遭難事故の多発、教育現場における学級崩壊の加速など、社会・職場・学校・家庭の各分野で様々な事件・事故が錯綜しながら発生しました。 わが国は戦後の廃墟のなかから奇跡的な復興を遂げ、外資の導入と技術革新を図りながら世界第2位の経済大国にまで成長し豊かな社会を実現しました。ところがそれと引き換えに、前述のような社会的・技術的問題の発生が記録的に増加しています。それはいったい、なぜなのでしょうか。社会の進歩につれて、こうした問題が増えるのは当然のことなのでしょうか。もしそうなら、社会の進歩や発展とはいったい何なのでしょうか。 すべての社会事象が人間活動の結果であれば、結局その根源は人間そのものに帰結することになります。そこで問われるのは、私たち自身の問題です。時代の進歩や豊かさと引き換えに、私たちの心は貧弱化して栄養不足に陥り、人間が持つ本来の愛情や良識が失われているのではないでしょうか。それが直接間接に人間行動に負の影響を及ぼし、多様な社会的不安を生み出しているような気がしてなりません。 ここでお互いに自分を見つめ直し、大自然に触れながら心に十分な栄養を補給し、本来の人間性を回復することが必要ではないでしょうか。安定した信頼のおける社会の実現は、こうした一人ひとりの心がけによってはじめて可能となるものでしょう。 本年も、ご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。 |
| 2 | ≪年頭所感(2)・・・家族共食で絆を強めよう≫ 社会の最小単位としての家庭・・・そこは夫婦関係、親子関係、兄弟姉妹関係といった様々な家族関係をはぐくみながら連帯を深め、家族への帰属感を確かめ合う場である。 いま、その家族関係に変化が生じている。 社会環境の変化が、これまでの結婚観や家庭観に影響を与えて、核家族化や共働き家庭、DINKS夫婦、未婚の母、単身家庭など多様な家族形態を生み出した。問題はこのような状況下にあって、家族のきずなが次第に希薄になっている点で、夫の暴力、不倫、家庭内別居、離婚、親子断絶、家庭内暴力、子供虐待、不登校、非行、拒食症など、夫婦関係や親子関係にヒビが入りがちである。社会の最小単位としての家族がこのような状況に陥れば、社会は病んで安定した健全社会の実現は不可能である。 したがって、いま必要なことは家族の求心力となる家族共食と、その実現のために必 要な社会制度改革の2点である。 食生活は人間の最も本源的な生活行為であり、これほど重要な意味を持つものはない。生命維持はもちろんであるが、食を共にすることによって家族集団は連帯を深め、それへの帰属感を確認しようとする。本来、家族のきずなは、こうした家族共食や相互間の愛情によって強められるものである。それが様々な理由から個食化が進んで、家族同士が共食によってきずなを深める機会が失われている。このような現代生活の中にあっては、家族全員が一つの食卓を囲んでとる共食の重要性を再認識する必要がある。 また一方、夫婦や子供がそれぞれ家庭外の活動に追われている現代社会では、共食の機会をつくり出すことが困難な状況にある。したがって、それが実現可能なように社会の基本的制度、つまり雇用環境や教育環境の改善を図って、親子が家庭で共通の時間を持てるような、ゆとりのある社会をつくることが必要である。 家族全員が集まって共に団らんの食事をする一つの食卓は、人間にとって最も重要な人間関係の場なのである。それぞれに家庭外では異なる人生を送っている家族が、家庭の中でお互いの存在を確かめ合う場は食卓なのである。それはつまり、愛情という精神的な結合を確かめ合う場でもある。だからこそ、究極の「人間的な接触」の場である家庭に、より人間らしい営みを取り戻させる必要がある。 その意味からも、家族のそれぞれが自己犠牲を払って、家族共通の時間をつくり出 し、家族共食を実現することが何よりも大切である。 |
| 3 | ≪年頭所感(3)・・・科学技術への期待≫ 人間が創造した科学技術は、過去の千年紀に急速な進歩を遂げ、その成果は産業革命を引き起こして輝かしい工業社会を実現した。その後科学技術は情報・通信、原子力、生命、宇宙・海洋、医療など様々な分野で著しい進歩を遂げ、私たちはそれらを享受しながら豊かな現代生活をおう歌している。 しかしいま、世界の現状を見つめると、こうした科学技術の進歩にもかかわらず様々な地球的課題が山積している。それは資源・エネルギー問題、食糧・人口問題、環境問題、核問題、南北格差問題、難民問題などの難問課題である。 これからの21世紀を考えるとき、こうした課題の解決なしには、その未来展望は開けそうにない。そこで私たちが期待するのは、発展し続ける科学技術によって、こうした諸課題の解決ができないかということである。 人類普遍の原理は「世界の平和と繁栄」であり、すべての人たちがそれを念願してやまない。もし科学技術の進歩によって資源・エネルギー問題や食糧問題を解決し、環境問題を克服して戦争を排除できれば、その念願はほぼ達成できることになる。 その実現のためのカギを握るのが21世紀の科学技術であり、それをおいてほかには考えられない。だが、果たしてこれからも科学技術の進歩は続くのだろうか。 この地球には有限容量という限界があるが、人間の知恵にはそれはあり得ない。したがって、限りない人間の知恵が科学技術の限りない進歩をもたらし、直面する人類の課題を解決へと導いてくれるのは確かである。人間が能力の向上を求め、その知恵が無限であるかぎり、それは可能なことだからである。その意味で21世紀の科学技術に期待したいのである。 |
| 4 | ≪最悪期を脱す? 日本の景気≫ 先月暮れに総務庁が発表した11月の完全失業率は、6月につけた過去最悪の4.9%から4.5%となって1月の4.4%以来の水準まで改善し、完全失業者数も10ヶ月ぶりに300万人台を割った。また、ボーナスを含めた年収では前年を下回っているものの、鉱工業生産指数は前月比3.8%上昇するなど生産も増加し、それにつれて残業が増え所定外給与は30ヶ月ぶりの高い伸びとなった。一方、低迷を続けている企業の設備投資も情報技術(IT)分野から底打ちの兆しが見えつつある。このように雇用や所得が最悪期を脱し、一進一退を続けるている個人消費も心理面からの重圧が和らいでいる。とはいえ、過去の水準からみれば4.5%の失業率はなお高水準であり、過剰雇用解消に向けた大企業のリストらが続いているところから、雇用の劇的な回復は期待できない。このように日本の景気もようやく底打ちから景気回復への地固めに入った段階であり、このままアジア経済やアメリカ経済が順調な拡大を続けれれば、輸出拡大で日本経済も回復への足がかりをつかめるだろう。しかし、最近の円高傾向やバブル気味のアメリカ経済の急変という波乱要因を抱えているだけに、自立回復への道筋にはなお厳しいものがある。 |
| 5 | ≪99年・世界の株価軒並み上昇≫ 昨年は先進国から途上国までおしなべて株価が2ケタ上昇し、2000年に向け、世界の景気拡大への期待の強さを物語った。世界の主要な株式市場でも、情報通信関連という先導役を得たことと、投資信託への大量の資金流入を支えに、株価指数は軒並み大幅上昇した。特に値上がりが目立ったのが、ハイテク株が多い米ナスダック(店頭株市場)総合指数で昨年末比81%の上昇(12月27日現在)、ニューヨーク・ダウ平均は24%上回る新高値を付けた(12月23日現在)。日本株も日経平均株価が36%上昇、東証株価指数は56%の値上がりを記録し、日経店頭平均株価は1年で3倍になった。新年に入った初日の欧州・アジアの各市場では過去最高値を付けるなど活況を呈している反面、米国の平均株価は年初から2日間で500ドル超の急落を演じ、調整局面に入っている。これまでの株価上昇のけん引役はなんといっても情報通信関連株だが、そのブームに乗れなかった他の銘柄の値動きは鈍く、日本でも東証1部上場株のうち56%の銘柄が昨年に入って値下がりしている。こうした極端な2極化現象が昨年の株式市場の特徴で、勝ち組と負け組企業の選別が厳しく行われていることを物語っている。この動きは、今年も持続されていくものと思われる。 |
| 6 | ≪パソコン1000万台突破≫ いまパソコンの販売が絶好調だ。99年度の国内出荷は史上初めて1千万台を突破してカラーテレビとほぼ並ぶ見通し。NEC、富士通など国内大手企業も出荷計画を相次ぎ上方修正している。インターネットの普及と低価格化の進行を追い風に個人向けが全体をけん引、法人向けも健闘している。パソコン需要は昨夏以来、個人向けを中心に伸び、IT(情報投資)に対する企業のおう盛な投資意欲にも支えられている。こうしたパソコン市場の急拡大を背景に電子部品に需給ひっ迫感が生じており、今後部品の供給量がパソコン・携帯電話の生産のネックになりそうだ。こうした状況からみると、インターネットの普及は急加速しているようで、過去の例では家電製品などの普及率が30%を超えると爆発的な普及を見せることから、パソコン市場も間もなくその水準に達して、今後はいっそうの急進展をみせることになるのかも知れない。こうして限りなく拡大するネットワーク社会は、かつての自動車や家電産業のように、巨大な情報通信関連産業を生み出すことになり、それが経済成長をけん引することになるのは間違いない。 |
| 7 | ≪目立つ外国人の「日本買い」≫ 外国人投資家の「日本買い」が膨らんでいる。平均株価がバブル崩壊後の安値を付けた一昨年10月から昨年12月までで、外国人による日本株買いの累計額は10兆円に迫る勢いである。政府が公的資金注入で金融システムの安定化に乗り出したこと、景気浮揚のための積極財政政策に転換したこと、経済指標面から景気底入れ感が強まったこと、日本経済の変革を示すような個別企業の動向が見られること、成長が見込まれる情報通信関連産業への期待感があること、欧米の株式市場に比べて割安に放置されていたこと、などを背景に日本株買いに資金が向かっている。外国人の買いの主体は年金資金や投資信託で、91年に記録した年間買い越しの過去最高(5兆6215億円)を更新するのは確実。それを裏付けるように、一昨年春以降の「日本売り」で147円の安値を付けた円相場は、同秋以降は一転して円高基調に転換し、1年後の現在は1ドル100円を割り込むような勢いになっている。こうした海外からの資金流入は反面、何かの事情でそれが引き上げられることになれば、国内の株式市場や円相場も大きく揺さぶられることを意味している。その意味で、海外資金の動きには注意 が必要だ。 |
| 8 | ≪市場影響力増す100円ショップ≫ 100円ショップの人気は衰える兆しがない。業界最大手でシェア7割強を握る大創産業の場合、現在の店舗数は約1400店、99年度の予想売上高は千百億円と、2年間でともに2倍以上も伸びた。その動きからも分かるように、洗面器や食品保存容器など合成樹脂製の日用品市場が、100円ショップ人気に揺さぶられている。「小物」と呼ばれる汎用品を中心に低価格品への需要シフト、販売価格の下落といった傾向が見え始め、輸入品の台頭もあって100円ショップが市場構造を変えつつあるのだ。需要が100円ショップに奪われ、日用品工業組合の加盟社数の減少ペースは中小メーカーの転廃業により早まっている。樹脂加工品は100円ショップの主力製品で、スーパーなどで1個当たり300〜500円する製品がすべて100円で店頭に並ぶ。大量発注により、メーカー納入価格はスーパー向けの3分の1から5分の1だ。3〜4割を韓国やタイなどからの輸入品が占め、残りは中小企業の国内メーカーが供給している。今後、100円ショップがこの勢いで勢力を拡大していけば、その取り扱う主力商品が変わるごとに、その市場は大きく揺さぶられることになる。その昔、スーパーが流通革命をもたらしたように、ショッピングの楽しさという新感覚で勝負する100円ショップも、新たな流通革命をもたらすのかも知れない。 |
| 9 | ≪繁栄の中の貧困≫ かってない好景気が続く米国でも、都市部の貧困層の暮らしは極めて厳しくなっている。1970年代初頭以来の歴史的な低失業率を記録していても、貧困層は解消されておらず、「食事」の困窮を訴えた人は前年より18%増加し、過去7年では最大の伸びとなっている。また、住む所に困っている人も、前年より12%も増え、過去5年間で最も高い伸びを記録した。これらの事実は、前例を見ない米国の繁栄が多くの米国人には届いていないことを示している。こうした傾向は資本主義社会の発展につれて見られるものだが、それは1国内にとどまらず国際的にも広がりを見せている。その典型が南北格差だが、先進国が発展すればするほどその格差は広がり、貧困線上にさまよう人口は増えるばかりである。こうした国内・国際的な格差問題を解消するには、富裕層・富裕国から貧困層・貧困国へ富の移転を行う政策が必要だが、それだけでは問題の根本解決にはならない。要は、貧困層・貧困国が自立できるための高度な知識・技能の教育推進や施設充実などの支援施策がより重要なのである。それを放置したままでは、急加速する高度情報社会の流れの中で、富裕層・先進国の優位性はますます高まるばかりであり、その格差はいっそう拡大して、大き国内的・国際的紛争の要因をつくることになろう。 |
| 10 | ≪戦後最低の労組組織率≫ 労働省の調査によると、昨年6月末時点の労働組合員数は前年より26万8千人減少し、1,082万5千人となった。減少は5年連続で、マイナス幅は過去最大。全組合員数を雇用者数で割った労組の組織率も前年比0.2ポイント減の22.2%と戦後最低を記録した。戦後の日本は高い労働組織率を誇る重・工・長・大産業を中心に経済成長を遂げてきたが、その発展とともにモノ不足は解消し、今度は精神的な充足を求めるようになって経済のソフト化・サービス化が進んできた。その結果、需要構造も教育・レジャー・旅行・スポーツ・通信などのサービス需要へ重点が移行し、サービス産業の拡大をもたらした。その過程で、労働者も製造業などの重・工・長・大産業から労働組織率の低いサービス産業へとシフトし、その結果、次第に全体の組織率も低下をきたしたのだろう。モノに満ち足りた飽衣飽食の豊かな時代を迎えた現在、賃上げなどの労働条件改善の要求も次第に薄れだし、特に若い労働者には労働組合の存在価値や存在感が認識できない状態なのかもしれない。いま、地盤沈下する一方の労働組合にとって、その浮沈のカギを握るのは、これら若い世代にその意義をどうアピールするかにかかっているといえよう。 |
| 11 | ≪増加する病める教師≫ 文部省の調べでは、98年度中に教え子らへのわいせつ行為で懲戒処分や訓告などを受けた公立小中高の教員は76人に上り、96年の67人を上回って過去最悪となった。精神的な病気で休職処分となった教員も前年度比6.1%増え、過去最多の1,707人に達した。教師のモラルが荒廃する一方、いじめや「学級崩壊」でストレスを抱える教員の心の病が深刻化している実態がうかがえる。教育の荒廃が叫ばれて久しいが、その当時でさえ「学級崩壊」の状況はまだ見られなかった。それが事態はさらに悪化し、それも年々深刻化しつつあるようだ。教師側、生徒側の双方がそれぞれに問題を抱え、それが錯綜し、複合化して教育現場は混乱状態に陥りやすい状況下にあるのではないだろうか。教育活動に意欲的に取り組む教師が多数いるなかで、このようなモラル低下の教師が増える傾向にあるのは誠に残念である。また、ストレスからくると思われる精神的疾患の教師も増加傾向にあり、教育現場が抱える問題がいかに深刻で、かつ多いかがうかがえる。健全な人間を育てるには、健全な心を持つ教師が必要不可欠である。高い自己制御能力と健全な心、それにタフな精神力を持つ人間性に富んだ教師像が求められるゆえんである。 |
| 12 | ≪世界最大のメディア誕生≫ 世界最大のネットサービス会社アメリカ・オンライン(AOL)と大手メディア企業の米タイム・ワーナーが合併することになり、今年末までに合併を完了するという。新会社は売上高が300億ドル(約3兆1500億円)を超え、ウォルト・ディズニーを大きく引き離す世界最大のメディア企業になる。AOLは約2千万人の会員を持ち、米ネット接続市場ではマイクロソフトなど2位グループに5倍以上の差をつけ、圧倒的な優位を築いている。しかも、その力は単なる通信サービスの域を超え、会員向けのコンテンツ(情報の中味)を通じてマスメディアにも匹敵する影響力を持ち始めている。こうしてインターネットの世界で巨人的存在にまで大きくのしあがったAOLだが、それがウォルト・ディズニーやタイム・ワーナーなど既存の伝統メディア企業を脅かす脅威的存在となってきたわけである。驚異的に拡大し続けるインターネットという目に見えない世界で、いま予想もつかないこうした新しい展開が始まろうとしている。インターネットという何が飛び出すかわからない玉手箱の中で、情報通信産業はいま急変革を迫られている。 |
| 13 | ≪幕開け目前のデジタル家電≫ 数年後には家庭でのライフスタイルを一変するようなデジタルネットワーク社会が到来しようとしている。それはデジタル家電の出現だ。家庭内の機器とネットワークでつながり、一人ひとりがネット上の様々なサービスを利用する窓口となるデジタル情報家電が2003年ごろには登場するのだ。例えばテレビやビデオ、DVD(デジタル・ビデオディスク)、それに冷蔵庫や電子レンジなどまでホームネットと呼ぶ家庭内LAN(構内情報通信網)で結ばれる。そして、リモコン操作で洗濯機やレンジ・テレビ・ビデオにいたるまでコントロールできるようになり、金融商品や各種の行政サービスの利用も可能となる。こうして現在のパソコンの機能はホームネットの機器の中に分散されるか、あるいは家庭用サーバーに組み込まれ、今のテレビ並みに使いやすい機器が登場して、パソコンはその使命を終えることになる。こうしたデジタル革命でわれわれの生活は便利になることは間違いなさそうだが、果たしてそれが幸せな社会の実現に結びつくのかどうかは疑問である。光は必ず影を伴うように、技術革新にも必ずマイナス面を伴うからである。国内では今年末のBSデジタル放送を機にデジタル家電市場が一気に拡大するものと思われる。 |
| 14 | ≪国民的アイドルとなった宇多田ヒカル≫ NHKが発表した99年度の「好きなタレント調査」の結果で、男性は2年連続で明石家さんまさん、女性は宇多田ヒカルさんがそれぞれ1位になりました。調査は昨年9月、全国で7歳以上の3,600人を対象に、好きなタレント男女3人を答えてもらう方法で行われました。宇多田ヒカルさんは新人タレントですが、新人が1位になったのは調査以来初めての快挙だそうです。彼女の支持層は子供から老年にいたるまで幅広い層に人気があるそうで、それはまさに国民的アイドルといってもよいでしょう。春の高校選抜野球の入場行進曲にも、すでに彼女の「ファースト・ラブ」という曲が決まっています。また彼女は勉学のほうも素晴らしく、高校では1年飛び級で進級するという優秀さで成績もオールAプラスとか。そしてこのほど、彼女念願の名門コロンビア大学を受験するため、すでに入学志願書を提出しているそうです。この大学は入試はなく、内申書による書類審査で合否が決まるそうですが、恐らく彼女の合格は間違いなさそうとのことです。もしそれが実現すれば、いよいよその才能も磨かれてマルチタレントぶりを発揮するのは間違いないでしょう。 |
| 15 | ≪日本初・ネット上の株式市場がいよいよ登場≫ 三井物産とDLJディレクトSFG証券、マネックス証券の3社が、日本初の電子証券取引ネットワーク(ECN)の創設を計画、6月をメドにネット上に実質的な株式市場が誕生する。これはコンピューターネットワークを活用して株式を売買する電子的な証券取引市場のことで、ECN(エレクトリック・コミュニケーション・ネットワーク)と呼ばれる。個人投資家がネット経由で出す売買注文を、取引所を通さず直接ECNのシステムで付け合わせて取引を成立させるため、証券取引所の取引が終了した時間帯でも個人の株式売買が可能になる。米国では97年以降、証券会社や機関投資家がお互いに株式を相対で取引できる私設の取引システムとして急速に発達している。この制度が登場すれば、昼間は時間的余裕がない人でも自宅で夜間にリアルタイムで売買が可能となる。今後、これを利用する投資家が増えれば、将来的には24時間の株式売買が可能となるわけだ。このようにネットワーク社会の進展は、様々な新しいシステムを次々と誕生させ、われわれのライフスタイルに急激な変革をもたらそうとしている。 |
| 16 | ≪移動電話の普及率42.7%≫ 移動電話(携帯電話・自動車電話・PHS)のうち、携帯電話の加入台数は99年の1年間に947万9千台と高水準の増加が続いている。PHSの加入台数減少にも歯止めの兆しが見え、移動電話全体の人口普及率は42.7%と4割を突破した。12月末の移動電話の総普及台数は5千4百10万9千台(前年比20.2%増)となり、この3月中にも固定電話の台数を追い抜くとみられている。昨年2月に始めたインターネット接続サービス「iモード」が好調で、増加台数の57%に当たる2千7百63万6千台の加入を獲得している。その一方で、PHSは携帯電話との競合により35万台の減少となっている。このように携帯電話によるインターネット接続サービスなど新サービスの登場もあり、情報端末としての比重は今後も拡大しそうだ。北欧フィンランドでは普及率が6割を突破しているところをみると、日本でもまだまだ普及の余地がありそうだ。しかし、これだけ普及しているとはいえ、このうち真に必要なコミュニケーションに使用されているのは果たしてどれ程だろうか。あれば便利に違いないが、なくても別に困らないケースが相当数あるのではないだろうか。時代の進歩とはいえ、ただ持ってるだけの飾り物にならなければいいのだが・・・。 |
| 17 | ≪個人マネーはどう動く?≫ 今年2000年は、個人マネーを取り巻く環境が大きく変わる。10年前の高金利時代に預けられた106兆円に達する郵便定額貯金の大量満期償還、秋に導入される日本版401Kと呼ばれる確定拠出型年金の登場、それに東証マザーズ、ナスダックジャパンなど新しい株式市場の誕生など、個人資産の運用面に大きな影響を及ぼす環境の変化だ。年利6.33%という10年前の高金利時代の郵貯が、この4月から相次いで満期を迎えるわけだが、現在の年利がわずか0.2%という超低金利時代に、それがいったいどこへ流れるのかに注目が集まっている。郵貯の金利が実質ゼロに近い現状では、多少のリスクがあっても収益性のある資産運用に50兆円は流れ出すのではないかと見られている。折しも、この秋スタートする401K年金制度(自分の責任で運用対象を選択し、結果次第で老後にもらえる年金額が変わる仕組みの年金)もあり、それへの積み立てにも流れるだろう。また、新しい株式市場の誕生ともあいまって、このところ好調な株式への投資も個人の関心を高めるだろう。わが国で1300兆円ともいわれる個人金融資産が、この環境変化によって果たしてハイリスク・ハイリターンの運用を目指して動くのかどうか注目の集まるところである。 |
| 18 | ≪デビットカード時代の到来≫ 銀行や郵便貯金のキャッシュカードがあれば、現金を持たなくても買い物代金が払える「デビットカードサービス」が、ぐんと身近になる。今年3月からは百貨店など利用できる店舗が約10万とこれまでの10倍に増える上、7月以降、ほとんどの都市銀行や地方銀行のキャッシュカードでサービスが受けられるようになる。これは手数料なしで手軽に利用できるのが魅力だ。このサービスが始まったのは昨年1月。現金を持たなくて済むのはクレジットカードも同様だが、デビットカードは利用後、即時に口座から引き落とされるので、現在の預金残高以上に買い過ぎる心配がない。また、次回以降の買い物の割引に適用するポイント加算率がクレジットカードより有利になったり、夜間にATMで現金を引き出せば手数料が取られるのが、これだとそれが不要になったりする利点もある。ただ、デビットカードは買い過ぎに歯止めがかかる一方、分割払いはできない。また、盗難や紛失時の不正使用が問題で、今後は所有するすべてのキャッシュカードに盗難保険を付けるなどの注意が必要だ。近い将来、日常の買い物市場などでもデビットカードサービスが始まれば、いよいよキャッシュレス時代の到来となり、お金はただ数字の上の計算だけになって、通貨の存在は次第に薄れていくのではなかろうか。 |
| 19 | ≪「9000番」の時代≫ 「9000番」の時代がやってきた。9000番とは企業が東京証券取引所に上場する際に、その上場登録のコード番号として企業に振り当てられる業種コードのことで、例えば、NTTドコモはコードナンバー9437番といった具合に分類される。そこには陸・海・空運、倉庫、運輸、通信、放送、サービスなど種々雑多な企業が分類登録されており、自動車、電機などの大企業が整然と並ぶ5000〜7000番に比べて、どことなく粗雑な扱いを受けてきた印象がある。ところが今、株式市場でその雑多な企業群が時価総額の上位企業を独占している。NTTドコモ、ソフトバンク、光通信などがそれである。将来、野村総研、テレビ朝日、電通などの有力企業が上場するとなればこのコード区分になるし、ネット経済の隠れた本命とされるヤマト運輸など物流企業や倉庫会社も「9000番台」である。これらの業種はいわゆるソフト関連企業であり、経済が急速にソフト化・サービス化するにつれて、鉄鋼・造船・電機・自動車などのハード関連企業から次第にそれへのウェイトが移りつつあるといってよい。ましてやネットワーク社会が急拡大しつつある現在、放送・通信・物流といったソフト関連分野は今後ますます比重を増すことになり、先では産業構造や需要構造までも変えてしまうことになろう。 |
| 20 | ≪史上初の株価1億円実現≫ 史上初の1株1億円の株価が昨日19日、店頭市場で出現した。その会社名は「ヤフー」。変わった名前の企業だが、これが今をときめくインターネットの情報検索サービスの最大手企業なのだ。会社設立は96年1月、その翌年の97年に店頭市場に登録している。現在の資本金14億7千百万円、発行済み株式数はわずかに1万3千株(額面金額5万円)。97年の登録時には株価が145万円に過ぎなかったのが、わずか2年間で実に69倍の高騰となっている。最近は特に世界的な情報通信株への一極集中を背景に連日200万円のストップ高をつけるなど、その人気も加熱状態にある。会社設立時に、その発行価額1株5万円で1株でも所有していたら、今はなんとそれが1億円にもなる長者になっているわけである。額面発行価額の5万円からすれば、実に2000倍にも株価が高騰したことになる。それほど、インターネットという目には見えないブラックホールのような世界の成長性に世界の目が注目しているわけである。今や情報革命のカギを握るインターネットだが、それがどのような展開を見せながら今後情報社会に革命的衝撃をもたらすのだろうか。その進展とあいまって、その象徴ともいえるヤフー株も新たな展開を見せることだろう。 |
| 21 | ≪急加速するコンビニの変身≫ 変ぼうするコンビニ業界の動きについては、11月3日付けの本欄で取り上げたばかりだが、その後具体的な動きが急展開してきた。業界最大手のセブンーイレブン・ジャパン(約8千店)がNECやソニーなど7社と組んで2月に電子商取引(EC)の新会社を設立すると表明したかと思えば、今度はそれに対抗してファミリーマート、サークルケイ・ジャパンなど大手コンビニエンスストア5社(合計で1万2千5百店)がEC分野で包括提携することで合意した。このEC(エレクトロニック・コマース)は、サービスや情報、物品などの商取引を、インターネットなど電子的なネットワークを通じて企業や消費者が行うことで、米国ではクレジットカードなどを活用した電子ネットワーク上の代金決済が進んでいる。日本では個人情報の流出の危険性があるため普及が遅れているが、コンビニエンスストアの店頭で代金を支払い、商品を受け取る方式にすれば安全なわけで、この方式が日本でのEC普及のカギを握ると注目されており、各業界が顧客獲得のためのネットワークとして注目している。こうしてコンビニ各社は商社や電機メーカーなどと企業連合を組んでEC事業に乗り出し、効率的な物流網を構築して年中無休の全国4万店の店舗を商品の受け渡しなどのネット拠点にしようとめざしている。いよいよコンビニは、“町のパソコン”の役目を果たすと同時に、“町の物流拠点”としての役目をも担う新たなネット・コンビニに変ぼうを遂げようとしている。 |
| 22 | ≪21世紀はいつから始まる?≫ あなたはいつから21世紀が始まるとお考えですか? 来年からですか、それとも今年からですか? 多分、大方の人が来年からと思われているのではないでしょうか。日本のマスコミでは、そのように報道していますからね。ところが、海外では今年から21世紀は始まると考えているようです。そもそも学術的な定義では、世紀は西暦の下二ケタが01の年に始まるとされています。西暦0年は存在せず、紀元の年は1年となっているからです。ところが、キリスト教の総本山バチカンでは、2000年から第3の千年紀が始まるとし、21世紀の初年もこれに合わせています。年頭の英国の新聞や各国首脳の演説などもそれを前提にしたものが相次いでいます。わが国では、新千年紀祝賀と新世紀を切り離し、新しい世紀は来年からとする考えのようですが、海外からは理解に苦しむという声が多いそうです。無知な私は、ずっと昔から世紀の数え方として00年からを新世紀だとばかり一人勝手に解釈していたのですが・・・。また年代呼称でも、これまでの90年〜99年は「ナインティーズ」でよかったのが、00年〜09年代の呼び方については決め手がないらしく、まだ統一された呼称はないようです。10年代からは「ティーンズ」と問題ないそうですが・・・。この国際化時代に生きるわれわれとしては、こうした海外の考え方も念頭に入れながら国際社会とのお付き合いも行うべきでしょう。 |
| 23 | ≪リスク商品に流れる個人マネー≫ 日銀がゼロ金利政策を決めて1年。預金の金利もゼロに近づき、個人はある程度のリスクを覚悟した上で有利な投資対象を探している。いま個人マネーは、株式や投資信託、外貨預金など相対的にリスクの大きい金融商品に向かい始めている。株式投資では個人投資家の売買が活発になっている。個人の株式購入金額は99年に37兆4610億円と98年の4倍にも達し、90年の47兆2340億円以来、9年ぶりの高水準に膨らんでいる。昨年10月からの株式売買委託手数料の完全自由化、インターネット取引の普及など、個人が株式に投資しやすい環境が整ったことも追い風になっている。外貨預金では、昨年8月以降急速に進んだ円高を受けて、秋以降も外貨預金の増加傾向が続いている。そのほとんどがドル建てで、現在6ヶ月物で5%前後の金利がつく。投資信託は、98年12月に銀行の窓口での販売が解禁されたが、販売額から解約額を差し引いた預かり資産残高は99年11月末で都銀などの合計で1兆7182億円となり、9月末と比べて4403億円増えている。現在、円建て普通預金金利は年0.05%、1年物の定期預金でも0.1%をわずかに上回るに過ぎないなか、しびれを切らした個人マネーは多少のリスク覚悟でハイリターンを求め始めたようだ。自己責任の時代とはいえ、ネコの目のように激変する経済情勢に翻弄されて、大怪我しないように、ただただ祈るばかりだ。 |
| 24 | ≪4月からネットスーパー登場≫ 最近では、ネット・ビジネス、ネット証券取引、ネットバンキング、ネット・コンビニなど、やたらと“ネット”という言葉が冠詞として使われる時代になった。それが今度はネットスーパーの登場である。中堅コンビニエンスストアのサンクスアンドアソシエイツが光通信、ソフトバンク・インベストメントなどと提携し、この4月からインターネットで商品の注文を受けて2、3時間で宅配するネットスーパーを始める。まず東京都内でサービスを開始、順次全国へ拡大する。宅配で取り扱うのは、コンビニが扱っている加工食品、弁当、雑貨などのほか生鮮食料品、介護・ベビー用品など約4千品目。コンビニの中核利用者は若い層だが、ネットを活用し宅配まで手掛けることで、コンビニを使わなかった高齢者層も開拓できる。ネットスーパーを足がかりに介護事業など幅広い分野への進出も狙っている。宅配料金は1回500円(1万円以上は無料)で受注後2〜3時間で希望の場所に届ける。いま、コンビニ業界は激しい業容変革を図っている。狭い売り場面積では扱える商品も限られ、場所をとる大きな商品は置けない。そうした制約を解き放つのがインターネットなどIT(情報技術)の活用だ。こうして、あの手この手を繰り出しながら、ネットワークを利用したネットビジネスにその活路を見出そうとしている。 |
| 25 | ≪奇妙なネット生活者「ドット・コム・ガイ」出現≫ “ドット・コム”とはインターネットを象徴する言葉だが、所用のすべてをインターネットでまかなう生活をするという実験を米テキサス州に住む「ドット・コム・ガイ(ドットコム男)」(26歳)という男性がこの1月1日から始めた。彼は身一つで空っぽの家に入居。エアコンと冷蔵庫以外は家具やトイレットペーパなど消耗品はない。買い物はすべてインターネット発注し、外出はできない。この生活は1年間の実験で、スポンサーから月を追うごとに倍増する給与をもらう約束になっており、最後まで残れば最終月には9万8千ドル余りを手にするという。似たような試みは短期間だが台湾や英国でも行われている。日本ではその動きはないが、以前お笑いタレントのナスビが総額100万円に達するまで裸一貫から懸賞生活を送る実験をしたことが記憶に新しい。さて、このドット・コム・ガイ君、その法的な名前までこれに変えての実験だそうだが、インターネットだけを利用する奇妙なネット生活実験が果たしてどこまで続けられるのか見物である。インターネットのいっそうの進展で、近い将来、私たちの生活もこれに似たライフスタイルに変わるのかも知れない。 |
| 26 | ≪これからの時代は「i・e モード」社会≫ これからの社会は「i」(インターネット)と「e」(EC・・・電子商取引)の時代に突入する。インターネットというグローバル・ネットワークが構築され、経済社会で活動する企業も個人もそれに組み込まれたネットワーク・ライフをいやおうなしに強いられる時代が到来しそうだ。すでにわが国のインターネット利用者も1700万人を超え、今後もネズミの増殖のように増え続けるだろう。それと並行して、NTTドコモのモバイルインターネットとして登場した「iモード」の加入者も急速な増加を見せ、それ以外の携帯電話各社のスマートホーンも加わり、日本が1千万台のモバイルインターネット時代を迎えるのは時間の問題だ。こうした動きに連動して、インターネット上での商売である電子商取引(EC)も急速に拡大進展している。95年には数十億円にすぎなかった市場規模は、通産省によると98年に8.7兆円、2003年には推計72兆円になるという。先日来、本コラム欄に取り上げているコンビニ業界の動きをみれば、その数字も納得できるものであろう。こうしたECの拡大はまた、企業間にも飛躍的なビジネスチャンスをもたらし、そのネットビジネスは過去のしがらみや系列の足かせを離れ、国境をも越えて広がっている。こうして今、「i・eモード」社会の到来が経済構造に地殻変動をもたらそうとしている。 |
| 27 | ≪ネット取引急増で揺れる証券市場≫ インターネットの普及が株式取引の世界にも変革を迫っている。ネット経由で売買注文を出す個人投資家が増え、証券界の業界地図に変化が出てきた。格安の手数料や手軽に豊富な投資情報を手に入れられるネット証券取引の拡大で、個人投資家がより有利な取引機会を求めて流動化し始めたからだ。これまで旧山一證券を含めた4大証券をトップに、固定的な秩序が長く支配してきた証券市場の枠組は、ネットという革命的な手法の登場で揺れ始めている。ネット取引を扱う証券会社はあっという間に急増して約50社になった。イー・トレード証券などネット専業主要5社の顧客からの預かり資産はすでに6千億円を上回り、準大手証券の下位クラスに匹敵する額に達している。こうした地殻変動で、中小証券が売買シェアで準大手証券と肩を並べる順位にまで上昇するなど、旧来の市場概念を根本から覆す状況が見え始めている。野村や大和證券は個別株を一日の平均価格で売買できる取引所外取引を開始したり、三井物産などが証券会社と組んで日本初の電子証券取引ネットワークの創設を計画するなど、既存の証券取引所をも揺さぶる状況になっている。こうして今、証券市場の旧来の構図はインターネットの出現で大きく変わろうとしている。 |
| 28 | ≪過去最悪の自己破産≫ 個人の倒産である自己破産の件数が99年に過去最悪を更新した。最高裁のまとめによると、99年1〜11月の自己破産申し立て件数は110,645件となり、1ヶ月を残して最悪だった98年の年間件数を約7千件上回った。この自己破産件数はバブル経済崩壊後の91年に前年比2倍の2万3千件に急増。その後も一貫して増加傾向にあり、98年には103,803件と初めて10万件を突破し、その増勢に歯止めがかからない。自己破産になればクレジットカードが使えず、会社の取締役になれないなど、一定の社会的制約が生じる。自己破産を申し立てる個人は複数の金融機関から借金を重ねた多重債務者が依然として多く、最近は企業のリストラや倒産で収入が減少し、ローンの返済に行き詰まる中高年が目立つそうだ。最近問題になった商工ローンに絡んで保証人になった人が破産に追い込まれるケースも目立つという。依然として厳しい雇用環境のなか、若年層や収入源を絶たれて窮する中高年層で厳しい状況が続いているようだ。この傾向が続けば、個人消費の回復傾向にも水を差すことになり、景気回復の足を引っ張ることにもなる。財政政策面では政府も目いっぱいの大判ふるまいをしてきた後だけに、これ以上の対策は望めず、ただ経済の自立回復を待つしかないのだろうか。 |
| 29 | ≪拡大する電子商取引市場≫ 日本の個人向け電子商取引市場が99年で3,360億円になった。これは98年実績の4倍弱に拡大したもので、今後も本格的に立ち上がるため、5年後の2004年には99年の20倍にあたる6兆6,620億円に膨らむと予測されている。99年の市場を分野別に見ると、不動産が880億円でトップ、次いで自動車が860億円、パソコン関連が510億円、旅行230億円となっている。伸び率では株式売買委託手数料の自由化が追い風となった金融が170億円と98年の11倍強に急拡大している。民間消費支出全体に占める電子商取引の比率は、99年時点で0.11%。これが2000年は0.3%、2004年には2%まで高まる見通しだ。これから個人消費に身近な関連商品を扱うネット・スーパーやネット・コンビニなどが続々出現し、個人向けのネット取引は急拡大することは確かだろう。間もなくデジタル家電が登場することになれば、ネット取引がいよいよ日常茶飯事化して電子商取引市場はさらに拡大することになる。これに企業間取引分をも加えると、その市場規模はかなりのものとなり、これまでの経済活動もいよいよネット経済へその重点を移行することになろう。 |
| 30 | ≪公的年金は大丈夫か?≫ 社会保険庁の発表によると、98年度の国民年金の未納率は23.4%と前年度比3ポイント上昇し、最悪となった。少子高齢化で制度の将来への不安が強まっているためで、約4人に1人が加入しないとう年金の空洞化が一段と深刻になっている。一方、サラリーマンが加入する厚生年金は98年度の保険料収入が初めて減少した。企業倒産の増加やリストラの影響で保険料を納めるサリーマンの人数や月収が減少したためだ。国民年金に加入しない理由では、「制度の将来が不安」が15.5%と95年(8.1%)に比べてほぼ倍増。「加入の届を出す必要はないと思った。」(15.9%)、「保険料を払うのが経済的に困難」(15.6%)となっている。今後も加入する意思がない人が55.9%を占めるなど、公的年金への不信感が高まっている。この公的年金制度は現役世代が高齢者を支える社会的相互扶助のシステムなのだが、少子高齢化で人口構成も昔のピラミッド型から逆ピラミッド型へと変化しつつあり、このままでは年金財政がパンクしてしまうことになる。理論的には年金給付を減額して保険料負担を高めればバランスがとれるのだが、将来受け取る年金額が少額ではいよいよ期待が持てないことになる。結局、増税によって現行水準を維持すのか、それとも公的年金を廃止して自助努力による自己防衛を図るのかという二者択一の問題が突きつけられることになりそうだ。 |
| 31 | ≪急増するクレジットカード犯罪≫ 身に覚えのない高額な買い物の代金が突然請求される・・・こうした不正使用による被害がクレジットカードの普及とともに急増中だ。全国クレジット犯罪対策協議会の集計によると、97年、98年と連続で不正使用による被害額は年間200億円の大台を突破、99年もさらに増えたのは確実とみられる。特に偽造カードによる不正使用は毎年2倍近いペースで拡大中。カード会社も防犯のための様々な対策を講じているが、不正は巧妙化していたちごっこの状態という。カード会社は「故意または重大な過失」が所有者にあった場合は、その被害額を補償してくれないのだ。だから、カードの盗難・紛失があった場合は早期発見・早期連絡が鉄則だ。同時に警察に被害・紛失届を出すことも必要だ。さらに利用した際の控え伝票は捨てずに後で利用明細とすぐにチェックすること、また、暗誦番号は誕生日など特定できる数字などにしないこと。こういったことを怠れば、身に覚えのない金額が請求された場合でも、本人に「重過失」があったと判定され、それを自己負担させられることになる。今後は、インターネットなどを使った電子商取引や通信販売など、サインをしなくても決済ができる手段が広がる上、偽造カード作成の組織的犯罪の増加も加わって、その不正使用はますます増えるとみられる。カードの管理・使用については自己責任が伴うだけに、細心の注意が必要だが、それと同時にカード犯罪防止のための法整備も急がれなければならない。 |
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