ここでは遊覧船やモ−タ−ボ−トで遊ぶことができるが、一行は遊覧船に乗って楽しむことになる。他に乗船客がいないので、もちろん我々の貸し切りになり、静かな湖面を一周する。約15分の遊覧であるが、近距離で見るボゴダ山脈の迫力ある景観や周囲を埋める緑の森林は、疲れた旅人の心身を癒すのには十分である。

この遊覧船で湖上を遊覧

向かって左手の斜面には朱塗りの西王母廟がある

遊覧船上から眺めるボゴダ山の風景
こうして一応の観光を終えると、山を下って駐車場に戻る。今度は上りと逆の順序で小型電気自動車→マイクロバスと乗り継いで下山する。下りに見られる緑の谷間の景観は素晴らしく、この澄み切った空気のうまい斜面にピクニックして1日を過ごしてみたい衝動に駆られる。下りは早く、電気駆動なしに走り下ってあっという間に駐車場へ到着である。

緑の谷間を渡るロープウェー
パオでバター茶
ここで我らがバスに乗り換え、帰途につく。その途中、カザフ族の設営するパオに立ち寄り、そこで珍しい茶菓のご馳走になる。天池から流れ出る渓流沿いには素敵な緑陰が広がっており、その一帯にカザフ族の人たちが羊の放牧をしながらパオで暮らしている。なかには、このように観光客相手にパオの休憩所を提供したりして商売をしている。宿泊もできるようだ。そんなわけで、この谷間にはパオがあちこちに点在しているが、訪れる観光客には珍しい風景である。

天池の下流にはこんな渓流が流れている
パオの中に入ると、全面見事な朱色に染まった空間が広がっている。パオの骨組み棒から周りのテント布地まで朱色一色に埋まっている。テ−ブルクロスまで朱色である。これを取り囲んで座り、茶菓の接待を受ける。まずはお茶がふるまわれるが、これは独特のバタ−茶というものだ。味はなかなかおいしいもので、コクと風味のあるお茶である。アジアの遊牧民族の飲み物として知られているが、ここでその初体験となる。発酵した茶葉を固めた固形茶を削って煮出し、これに羊のミルクやバタ−、塩を加えて攪拌して作るらしい。これにおつまみの菓子が出され、グッドタイミングのおやつとなる。

このパオで小休止

朱色一色のパオの内部

屋根も朱色に染まっている

美しい柄模様の絨毯

カザフ族の家族
民族舞踊
バタ−茶で喉を潤した後は、一気に下山の路を急ぎ、再び高速に乗って市内へ向かう。高速を下りたところで、トイレ休憩を兼ねて、とあるショップに立ち寄る。ここは大きな体育館のような建物で、その中に衣料品その他多くの土産品が陳列されている。トイレ目的というよりショッピング要員に連れ込まれたというところだろう。ただここでは、来店客へのサ−ビスとして専属の踊り子たちによる民族舞踊を見せてくれるのがオチである。

民族衣装が美しいウイグルダンス
ホテルへ
ここを出ると、間もなく宿泊ホテル到着である。予定より遅れて夜9時過ぎの帰着である。その足ですぐに食堂へ入り、ホテル滞在組と合流して遅蒔きの夕食となる。本夕の中華料理には鍋物が添えられ、これに西瓜、杏、瓜とバナナのスライスが出されて、これまで一番の種類豊富な果物となる。
シルクロ−ドのオアシスの果物はみんな甘くておいしいものである。それは少雨で日照りが強く、しかも乾燥地帯であるため濃縮されて甘味が増すのだろう。その点で、日本の果物は太刀打ちできない。この地域には果物の旬になる8月に訪れるのが正解であろう。少しは暑くてもからっとしているので、日本の夏ほどの蒸し暑さは感じないという。
満腹のお腹を抱えて部屋に入ると、日課の洗濯、シャワ−を済ませ、備え置きのコ−ヒ−を入れてほっと一息をつく。窓外の景色を眺めると、ようやく暮れかかったウルムチの街が暮色に包まれている。初日と同じホテルなので、その時と同じ風景が目の前に広がっている。夜景と暮色風景の違いが見られて面白い。

暮色に包まれたウルムチ市内(北京南路)
明日はウルムチ市内の観光予定だが、この観光コ−スには天池観光は入っていなかったのだ。そん理由から、今日の余裕時間を利用して希望者のみのオプションとして催行されたわけだが、これに参加したのは正解であった。これがなければ、折角のウルムチ観光も画竜点睛を欠くことになるからだ。思いを果たした満足感にひたりながら床に就いたのは11時のことである。
(次ページは「ウルムチ市内観光」編です。)
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